ロードバイク完成までの流れ

お客様に購入いただいたバイクが、どのような工程で組み立てられているのかを
画像付きでご紹介いたします!!

①箱から出して検品をします。
箱を開けたらまずフレーム、ホイール、内容物、パーツの状態が適正であるかを確認します。特に、フレームは梱包前、運搬中でキズがついていたりするので、場合によってはライトを用い、目視で表面確認をします。ホイールは、リムの狂いや、芯が出てるか、パーツに不良品が混じっていないかなどを確認します。写真のように、最近はやりのエアロフレームの一部のモデルには内拡式(フレームの内部で圧力をかける)のシートポストがありますが、はみ合わせの確認や、ポスト固定後のフレームの異常の有無はこのタイミングで行います。

②車輪の仕込みをします。
まずは、タイヤに空気を入れます。タイヤによって空気圧は変わりますが、タイヤのテストも兼ねて、最大空気圧まで入れます。バルブが曲がっていたら一度空気を抜いてまっすぐにしてから入れなおします。それでもだめなら、タイヤを外して直します。

カセットスプロケットの締付が適正か、トルクレンチを使って確認します。(締まっていない場合がほとんどです) タイヤの横にある通称”ヒゲ”と呼ばれる、ゴムの成型時に残った部分をニッパで切り落とします。これをしておかないと、ヒゲがフレームにあたり、塗装を削る原因になってしまいます。

これで車輪の仕込みは完了です。リフレクターやスポークプロテクターは希望があれば着けたり、外したりしますが、特に指定が無い場合は基本的に取り付けを行います。(ただし、スポークパターンにより着かない場合は除く。)

 ③組みつけを始めます。
後ろの変速機を吊り下げる金具がちゃんと締まっているか、確認します。(これも約50%の自転車が締まってないです)ここが緩んでいると、変速が不調だったり、駆動系に甚大なトラブルを引き起こす原因になるので、結構重要だったりします。後輪を付けたらディスプレイスタンドを付け、自立できるようにします。輪ゴムでスタンドとクイックレバーをしっかり縛って脱輪しないようにします。

 フレームからフロントフォークを抜きます。通常は、ここでグリスアップの工程ですが、コラムカット(矢印の部分)があるので、グリスアップはまだしません。 測定器や以前に乗っていたバイクの寸法をもとに、コラムにカットをする部分の目印を付けます。また、間違いが無いよう油性ペンで確認用のマークを入れます。

高速カッターでコラムをカットします。素早くカットすると、きれいな断面ができます。断面の面取りをします。カーボンという素材は竹のように細くて強い繊維の集合体です。断面をそのままにしておくと、肌に刺さり危険です。

ヘッドチューブ内の玉受け(ベアリングを収める部分)にグリスを塗ります。 ベアリング自体にもしっかり塗ります。特にヒルクライム志向の方には多めに塗ります。(汗による腐食を防ぐためです)

グリスを塗った後、フロントフォークを戻し、余計なグリスをきれいにふき取ります。

よくふき取ったらコラムスペーサーを差し込んで高さの調整をします。 前輪が遊ばないように輪ゴムを使って前輪を固定します。

ステム(ハンドルを固定するパーツ)のネジがスムーズに回らない場合は、ネジにグリスを、また、左の写真のようにステム側にタップをたて、ネジの回りを良くします。

ハンドルバーを付けたら仮付けし、角度を確認します。角度が決定したら、トルクレンチを使って本締めします。

右のブレーキレバーを仮付けし、角度を確認します。角度が決定したら、トルクレンチを使って本締めします。

左のブレーキレバーを仮付けします。物差しを使って、レバー同士とハンドルバーが平行になるように修正し、決定したらトルクレンチで本締めします。

手の小さい方や、指の短い方にはリーチ(レバーからハンドルバーまでの距離)を短くします。女性の方の場合、ほぼデフォルトで行わせて頂きますが、男性でもご希望があれば行います。

コラムの中にアンカー(上から圧力をかけたい時に踏ん張ることでその圧力を逃がさない為の装置)を入れ、仮付けします。高さが決定したら、トルクレンチで本締めします。

先ほど仕込んでおいたハンドル部をコラムに差し込みます。 トップキャップ(上から圧力をかけるナットのようなもの)のネジ部にグリスを塗ります。

ヘッドキャップ(矢印)のロゴの向きを修正し、トップキャップを回して上から圧力をかけます。こうすることで、ベアリングのガタつきを防ぎます。

ハンドルをまっすぐにし、トルクレンチで本締めします。締め終わったら各固定部が緩んでいないか再度確認します。 ここで1回目のワックスタイム。使うのは2Fでも販売している、パーマラックスです。

たるんだチェーンを直します。

左のクランクが適正にはまっているか確認します。また、固定ボルトもトルクレンチを使って適正トルクで本締めします。

取り付けてあった前の変速機のネジを緩め、適正位置にします。また赤丸で囲ってある部分は変速時に踏ん張りを利かせるためのものですが、一部のモデルでは梱包前に施行されていない(踏ん張りが利かない)ものがあるので、必ず確認し、施行します。

ブレーキ本体をはずして、注油をします。こうすると、動きがびっくりするくらい軽くなるんです。

ボトルケージを固定するためのネジも、タップをたてて、ボルトがスムーズに入るようにします。

ここまでくると、だいぶ形になってきました!

④ワイヤーを張ります。
通常、コンポーネントに合わせてワイヤーも同一のメーカーのものを使うのですが、今回は、リンク式(駒継ぎ)を使うので手間が更に大変!

部分的に純正ワイヤーを使うので、その仕込みをします。

写真のとおり、カットしたままだと端面がいびつで、力がかかった時に歪んでしまい、その力が逃げてしまいます。つまり、ブレーキの利きがちょっと悪くなる、変速が不調になる原因となるのです。また、施工後は、面として負荷を受けますが施工前は点として負荷を受けやすいので、アウターキャップ(ワイヤーの端面を保護するカバー)を破損させる可能性があります。 さらに、バイクのデザインやハンドルの形状によって、純正アウターワイヤーを使わずに、社外ワイヤーを使うこともあります。適材適所で使うアウターワイヤーを変えることで、中のインナーワイヤーの通りを良くして、少ない力でしっかり操作できるように工夫をします。


アウターワイヤーの中に特殊オイルを注します。こうすると、インナーワイヤーの動きがさらに良くなります。ただし、インナーワイヤーによっては、オイルを注さない方がよい場合もあるので、状況によって変化します。

前のブレーキのインナーワイヤーをレバーから通します。さらに、あらかじめ長さが適正なリンク式のアウターワイヤーにも通して、ブレーキ本体まで繋げます。

後ろのリンク式アウターワイヤーは、後部の方から適正な長さを出します。決定したら、前部の方も同様に適正な長さを出したのち、後ろのブレーキレバーからインナーワイヤーを通します。後部のリンク式アウターワイヤーにも通して、ブレーキ本体に繋げます。

フレームの側面に、アウター受けと呼ばれるアウターワイヤーをフレーム内部へ迎え入れる金具があります。その金具を固定するボルトにグリスを塗ります。この部分には汗が原因で、ネジを腐食させてしまう事例が少なくありません。そのため、予防の一環として行います。

一度、フレーム内部に通したインナーワイヤー2本を各変速機へ繋げます。先ほどのワイヤーガイドには、ライナーという細い管を通して、インナーワイヤーの動きを良くします。


もちろん固定ボルトにはグリスを塗ります。

後ろ、前にシフトワイヤーが繋がりました。

各ワイヤーをハンドルに沿わせ、テープで固定します。

ストレスのかかり易いインナーワイヤーにも特殊オイルを注します。 ワイヤリング作業完了!

ペダルを付けて、変速調整をしやすくします。

変速調整をします。

余分なシフトインナーワイヤーをカットして、インナーキャップを被せ、固定します。

⑥シートピラー、サドルを固定します。
シートポストを仮付けし、サドルを着けたら座面の角度を調整しながら固定します。 サドルの座面からボトムブラケット軸までの距離を測定します。サドルを一番下げてもオーダーの寸法が出ない場合は、ポストを切らなくてはなりません。(今回、長さが出なかったので、カットします)

カットするところに目印をつけ、カットします。端面の面取りもちゃんとします。

差し込む部分に滑り止め剤を塗り、差し込みます。高さがあっているか確認したらトルクレンチで本締めします。

もうほとんど完成ですが、残る工程がもうひとつ!

⑦バーテープを巻きます。
ハンドルバーのエンド部分に両面テープを巻きます。こうすることで、テープの型崩れを防ぎます。

テープを巻き始めます。巻き始めたら、キャップをしておきます。

下から上に巻いていきます。巻き終わったらビニールテープで固定します。仕上げ用テープを巻いて完成です。

⑧最終確認をして試運転をします。
最初は流し気味に乗って、徐々にスピードを上げ、ブレーキ、変速の具合を確認します。大袈裟なくらいダンシングをして、自転車を傾かて、干渉物が無いか確認して、異常が無ければ、完成です!

最後に2回目のワックスタイム!さらにピカピカ。パーマラックスなら艶消しのフレームでも使えてとても便利。

 詳細ははぶいてはいますがイチカワではこのように1台1台丁寧に、真心を込めて組み立てています!